暗黒地帯
昼夜問わぬいやがらせ「毎晩、電話コードをぬいて寝ます」
1992年2月、南島町古和浦の堀内清さん(古和浦漁協前会長)、小倉正己さん(同組合理事)たちは日本弁護士連合会(日弁連)に人権侵害の救済を訴えました。「芦浜原発推進による人権侵害を許すな
!」の県民世論をいっそう高めていただきたく、ここに原発反対三重県会議が1992年5月に行なった「第1次実態調査」の報告を再録します。 (第1次調査報告)芦浜原発推進による人権侵害の実態
この
4月(1992年)、芦浜原発予定地の地元南島町古和浦漁協において、原発推進派の幹部が組合長に全治10日間の傷害を働いた。この事件を機に原発反対県民会議では、あらためて同地の原発に反対する住民に対する人権侵害の実情調査を行うこととなり、第一次調査団を組織、先日現地を訪ね、聞き取り調査を行った。本調査はその被害を事項別にまとめたものである。●推進派住民が紀州犬を放し飼いにし、住民に被害が出ているにもかかわらず、伊勢保健所は「被害届が出ないと動けない。黙って犬を連れていくと窃盗になる」と放置。その後、この犬に噛まれ1週間のけがをした。保健所はあわてて犬を他所へ移したが2,3日だけで戻ってきた。県庁まで行っ亡抗議したがナシのつぶて。警察も保健所もまったく頼りにならない。
一日足らずの聴き取りであったが、私たちの予想をこえる深刻な実態だった。
人権侵害の元凶は、中電と田川県政による原発推進である。その別動隊として町内につくられた原発推進団体の少なくない構成員は、原発反対の住民に対して人権と平穏な生活をじゅうりんする行為を働いている。警察は、負傷させた暴力行為を形だけ取り締まるのみ。暗黒地帯ではないか。
こんな迫害のなかでも、明るく歯を食いしばってがんばっているの人々の姿に、私たちは心から励まされた。そして、深刻な人権侵害の実態をひろく知らせ、世論の包囲で冷酷きわまる行為の一手をしばるために奮闘することを誓いあった。
以上、南島町古和浦の実情をご報告するとともに、人権をまもる取り組みについて、各位のご検討、ご指導を心からお願いしたい。
1992年5月22日
原発反対三重県民会議
人権問題第1次調査団
医療法人
小関医院度会郡紀勢町錦
電話 (05987)3−2222
原発問題住民運動全国連絡センター発行の原発住民運動情報紙
げんぱつ
月刊 年間購読料 3000円