日立のデータ改ざん、14基、248ヶ所に

15年前から… 投書がなかったら…

 原発配管の溶接時の熱処理(焼鈍)温度データが日立製作所によって改ざんされていた問題で通産省・資源エネルギー庁は九月二十六日、溶接部評価検討会にこれまでの調査結果について報告。十四基の原発の二百四十八個所で、データ改ざんの疑いが明らかになったと発表。

 日立が当初十八基、百六十七個所のデータ改さんと発表したのは誤報でした。

 エネ庁によると、データ改ざん個所は、本来きれいな温度記録を作成することがむずかしい大口径配管に多いといいます。

改ざんは日立が誘導

エネ庁が、日立製作所と系列会社の日立エンジニアリングサービス、熱処理を請け負った下請けの「伸光」に立ち入り調査した結果、データ改ざんは一九八二年(十五年前)ころから始まり、多いときには月に二、三件のデータを偽造。その初期には、日立エンジニアリングサービスの現場担当者が、温度記録の見栄えの悪いものについて、伸光の作業員に「真正でない温度記録の作成及び使用を誘導し、あるいは黙認するケースがあった」としています。

 データ偽造は、伸光の営業所で、模擬配管を使っておこなわれました。エネ庁は立ち入り検査時に、試験片と熱処理(焼鈍)装置一式を確認。再現実験をおこなったところ、「極めて乱れの少ない温度チャートが描けることを確認した」と発表しました。

 

国も見抜けない責任

 今回の事件の発覚は、九月五日に日立製作所の金井努社長あてに投書が届いたのが発端。それがなかったら、同じことがくり返される危険もありました。

 また、国の検査がデータ改ざんを見抜けなかった責任も重大です。検査は国指定の「発電設備技術検査協会」に下請しています。大口径配管の溶接部データは乱れるのが普通で、きれいなはずがないのです。

 

東海1号の二次公開ヒヤ

十一月二十七日に開催

 原子力安全委員会は九月二十五日、東北電力が青森県東通村に建設を計画している東通原発1号機(BWR.110万kw)の原子炉設置について、十一月二十七日に東通村体育館で第二次公開ヒアリングを開催することを決めました。住民側にとっては、設置許可申請書の「安全」論の根拠を徹底追及する絶好の機会です。