芦浜でウミガメのあかちゃんが生まれた!

おおきくなって帰っていらっしゃい!

度会町在住の広達也さん達のグルーブ(ウラシマ・ブロ)は、芦浜のウミガメやハマナツメの調査にとりくんでいます。その機関紙「芦浜からの玉手箱」皿3から、ウミガメのふ化の様子の一都を紹介します。

9月4日(1993年)

 ぼくたちが卵の確認をしているもう一つの産卵巣に向かう。この産卵巣の、親ガメの上陸痕は7月17日に確認したものだ。しかし、ここも掘り返されていた!例によってスリバチ状に、卵の殻が散々。

 気を取り直し(?)浜を歩く。すでにもう産卵のため上陸しないのではないかと思っていたウミガメの足痕を発見。穴を掘り砂をかぶったと恩われる痕もある。とりあえず掘ってみるが産卵巣は発見できない。

 再度、浜を歩く。小さな火山の噴火口状になった場所を発見。ここは、6月19日に上陸痕を発見した場所だ(卵は未確認)。砂を掘り返してみると健常と見られる卵があり、ふ化がまだ続いていると考え、あわてて砂をかぶせる。すでに数十四のコガメが出た痕だったのだ、その小さな噴火口は。夜、ふたたび芦浜を訪れ、ふ化が続く産卵巣ちかくに陣取り、ふ化を待っ(ふ化は外敵の少ない夜に行われることが多い)。

 夜が白みはじめた。が、ふ化はまだだ。しかたなく、産卵巣の砂をとげると砂が動いている。コガメだ。ふ化しているコガメがいる。しかし、どうしようかと戸惑う。コガメを波打ち際に連れていき、放す。波はようしゃなくコガメを襲い、コガメは行きつ戻りっ、時にはひっくり返されて手足をバタバタ、進んだ距離より、戻された距離の方が長かったりする。何度も、何度も、襲いかかる波に向かって行く。けっして、横を向いたり、陸の方を向いたりしない。波に向かうコガメの姿は感動的だった。

 芦浜でコガメが帰ってくるのを待とうと思う(ウミガメは15年から30年で成体となり、生まれた浜に戻ってくるという)。

 ウラシマ・プロでは、「芦浜ウミガメステッカー」(直径10p、2色刷、糊つき、1枚50円)の活用をよびかけています。連絡先は、度会郡度会町注連指 広達也さん(電話05966−4−0674)。

医療法人 小関医院

度会郡紀勢町錦

電話(05987)3−2222

 

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