5-2 香芝での健康被害の原因
香芝での健康被害の詳細については前節で述べた。それらの原因としては高架橋より発生している低周波音を疑わざるを得ない。その根拠を以下に示す。
@ 香芝高架橋周辺で生じている諸症状は、低周波音公害が問題となっている他地区でみられる症状とよく一致している。
A それらの症状は、実験室での高レベル・短時間の暴露によって引き起こされる症状ともよく一致している。
B 「今泉事件」の際には、高レベルの低周波音が連続的に発生したと思われるが、その時にはこれらの症状が多数の人に同時に、ふだんよりも激しい形で現れたことが確認されている。
C 前節に示したように、高架橋に近い所(すなわち低周波音のレベルが高い)ほど、これらの症状が多く見られる。
D 香芝高架橋周辺から離れると「スッと良くなる」と言われている。今泉事件の際には救急車で運ばれた人が、病院についたときにはケロッとしていた。KS氏は高架橋から500mの所に移転してすっかり良くなった。
以下のものは根拠としてはいくぶん弱いが、低周波音原因説を支持するものである。
E 窓を開けておく方が楽なので、苦しくなると冬でも窓を開けるという例がある。
F 浴室が最もきついという訴えが複数あるが、3章の調査でも浴室は他の室よりもいくぶん低周波音のレベルが高くなる傾向がある。今泉事件の際、O氏はフロ場で卒倒し意識不明となった。
以上の点から、香芝高架橋周辺の健康被害の原因が低周波音である疑いは、きわめて濃厚であると言える。