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図1-3 精密騒音計の聴覚補正特性 (IECPub,179による) |
一般に騒音はいろいろな周波数の音を含んだ複合音である。一方,上に述べたように,聴覚は,周波数により感度が異なっているので,騒音の評価のためにはこれに対応するフィルターを通して測定することが必要になる。図1-3に示すように騒音計は通常A,B,Cの3つの周波数特性べ聴感補正特性)の切り換えが可能である(それ以外にもいくつかの特性あり)。A特性は等感度曲線のおよそ40phonの曲線,B特性は70phon,C特性は85phon以上の曲線にほぼ対応している(図の曲線を逆にしたような形になっている1当初はこの3つの周波数特性を音の大きさに応じて使いわけることが考えられたが,その後の研究から,むしろA特性を用いて騒音を計測することが最も感覚に近いということが認識され,国際的な規格においても現在はA特性のみを用いて測定するようになっている。このA特性を用いて測定した数値を騒音レベルといい単位はデシベル,記号はdBまたはdB(A)を用いる。日本においては過去の経緯からホンを用いてきたが,なるべくdB(A)の表示をすることが望ましい。
ところで,ラウドネスレベルの単位phonと騒音レベルの単位ホンとは全く違うものであり,混同されないよう注意されたい。