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前節では、香芝高架橋周辺の住民の間に、健康被害が存在することを明らかにした。この健康被害をもたらす物が何かあるのか、あるとすればそれはどの位置にあるのか、それを明らかにすることを目的にして行ったのが第2回目の調査である。調査対象区域としては、香芝高架橋を中心に数百m離れた地点を設定した。その理由は、これまでの経験から香芝高架橋が最も疑われたからである。なお、調査対象者は前述したとおり、88世帯275人である。
調査結果を地図上におとして、症状を訴えた人の分布をみたところ、香芝高架橋の近くに苦情を訴える人が多く、そこから離れたところでは、苦情を訴える人が少ないという傾向が明らかによみとれた(図は省略)。
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図5-3 香芝高架橋からの距離と有訴率(個人)の関係 0m〜30m(合計83名)
30〜100m(合計56名)
100m以上(合計91名)
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この点をふまえて、香芝高架橋からの距離と有訴率の関係を調べたものが、図5-3である。この図より、不眠、感冒様症状、めまい、鼻出血については、いずれも香芝高架橋に近づくにしたがって苦情を訴える人の割合(有訴率)ば急上昇していることがわかる。
| 図5-4 香芝高架橋からの距離と有訴率(世帯)の関係
0〜30m(33世帯)
30〜100m(11世帯)
100m以上(44世帯)
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図5-4および表5-7は、テレビ・ラジオやステレオの妨害あり、戸や障子がガタガタ揺れる,犬やねずみの異常,対話の妨害,子どもが家に帰りたがらない等、日常生活上の苦情について調査した結果であるが、いずれも香芝高架橋に近づくにしたがって、有訴率が急増していることがわかる。
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表5-7 香芝高架橋からの距離と有訴率の関係(物的苦情も含む)
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ところで、奈良県も昭和52年に、同様の調査を98世帯384人に対して行っている。それによれば、訴えの多いものは、頭痛,頭重(30.4%)、ねむれない(28%)、イライラ(18.4%)、考え事や読書が妨害される(14%)鼻血(13%)、動悸(10.2%)、耳鳴り(9%)、めまい(9%)、胸や腹の圧迫感(5.6%)、はき気(7%)、などである。男女別にみると、男性で多いのは、ねれない(28%)、頭痛頭重(24%)、イライラ(18%)であるが、女性で多いのは、頭痛頭重(38%)、ねむれない(27%)、イライラ(20%)である。この調査においても香芝高架橋に近いほど有訴率が高くなっている。たとえば、眠れないという訴えでは、香芝高架橋からの距離が20m以内,20〜60m,60〜100m, 100m以上の地域の人について有訴率をみると、それぞれ45%,31%,25%18%となっている。
以上の結果から、香芝高架橋周辺にみられる健康等に関する被害の原因となるものの発生源が、香芝高架橋の存在する位置にあると推定される。